掛け算の定義
足し算の定義
の続きで、ペアノの掛け算を定義します。
かなり足し算と似ています。
目次
自然数の掛け算の定義
早速ですが定義を書きます。以下のように再帰的な定義です。
\[\begin{align*} & n \times 0 = 0 \quad (n \in \mathbb{ N }) ・・・①\\ & n \times suc(m) = n \times m + n \quad (n, m \in \mathbb{ N }) ・・・②\\ \end{align*}\]自然数の分配法則
②は分配法則っぽいですよね。
\(l,m,n \in \mathbb{ N }\) に対して
\(l \times (m + n) = l \times m + l \times n\)を証明してみましょう。
使うのは数学的帰納法です。
数学的帰納法は昔から何か騙されているような気がしますw
でも公理らしい(*‘▽’)
(1)\(n = 0\) の場合
\[\begin{align*} l \times (m + n) &= l \times (m + 0) \\ &= l \times m \\ &= l \times m + 0 \\ &= l \times m + l \times 0 \quad ( \because ① ) \\ & = l \times m + l \times n \end{align*}\](2) \(n = k\) の場合に\(l \times (m + k) = l \times m + l \times k\) が成り立つと仮定し
\(n = k + 1\) の時に成り立つことを示す。
となるので1を足すと次の数になります。
よって、以下が成り立ちます。
\[\begin{align*} l \times (m + (k + 1)) &= l \times (m + suc(k)) \\ &= l \times suc(m + k) \quad ( 足し算の定義参照 ) \\ &= l \times (m + k) + l \quad ( \because ② ) \\ &= l \times m + l \times k + l \\ &= l \times m + l \times suc(k) \quad ( \because ② ) \\ &= l \times m + l \times (k + 1) \end{align*}\]よって \(k + 1\) の時も成り立つので、 数学的帰納法により \(l \times (m + n) = l \times m + l \times n\) が成り立ちます。
markdownで書いていると、何が何だか分からなくなってきますね( ;∀;)
作成日:2021-05-16 更新日:2021-06-02